佐賀県伊万里市にある観光酒蔵「松浦一(まつうらいち)酒造」は、 『カッパのミイラ』がある酒蔵として有名です。
カッパのミイラは日本中に幾つもありますが、 殆どが体の一部分のみのミイラで、 全身揃っているミイラは珍しいそうです。 またここのミイラは無料で一般公開されているのです。

ミイラの姿は、体調約70cm、頭がい骨が皿のようにくぼみ、背中は一見甲羅のように16個の背骨が突出し、足が前後で4本、特に前足は指が5本に対し、後足には指が3本、そして指と指の間には水かきがついています。
このミイラは、昭和28年の母屋の屋根の葺き替え工事中に見つかったもので、 「河伯」と墨で書かれた黒い箱に入っていたそうです。

松浦一酒造は、正徳6年(1716)創業の老舗の酒蔵です。なんと創業約300年です。 松浦地方で一番になるという思いが名前に表れています。
酒蔵にお邪魔すると、幾つものカッパの石像や置物といった“カッパコレクション”をはじめ、 古い農機具や、酒造りの道具などが所狭しと展示されています。

そして酒蔵の一番奥には、注連縄の飾られた酒樽を神棚として、 カッパのミイラがお祀りしてありました。
カッパは水神ともいわれますので、酒蔵にとってはまさに神様ですね。

「河伯様」をお参りした後は、 松浦一酒造の自慢の日本酒を試飲させて頂きました。