現在、宮原坑跡に残っているのは、第二竪坑の主要施設です。
「第二竪坑櫓」は、わが国で現存する最古の鋼鉄製の櫓です。
深さ160mあった竪坑そのものは、コンクリートの蓋で閉鎖されています。
第二竪坑櫓の手前に、赤煉瓦の壁が残っており、これが「デビーポンプ室の壁」、
第二竪坑櫓の奥にある煉瓦造りの建物が、「巻揚機室」(現在修復作業中)です。
三池炭鉱は地下水が多く開発に苦労しました。
その為、宮原坑は、当初は地下水を汲み上げて排水することを主な目的として設置された坑口でした。
三井鉱山合名会社専務理事だった團琢磨の提案により、世界最大級のイギリス製デビーポンプ(排水ポンプ)を導入し、湧水問題を克服しました。
デビーポンプは1893年に
「勝立坑」 で最初に導入され、次いで宮原坑に導入されました。
デビーポンプを、第一竪坑、第二竪坑のそれぞれの坑口に2台ずつ設置し、「大浦坑」「七浦坑」
「宮浦港」の大量に発生した水を地下を通じて宮原坑へと引き落として、排水していたのだそうです。