カトリック福岡黙想の家は、宗像市の住宅街である自由が丘のはずれにあります。 黙想の家の入口に建つザビエル聖堂の正面は住宅地ですが、敷地内の奥は豊かな森になっています。

福岡黙想の家の入口に建てられた聖堂は、ザビエル上陸の地である鹿児島に建つ、 『鹿児島カテドラル・ザビエル記念聖堂』の二代目の聖堂を 移築再建した建物です。 2013年11月にこの地に再建されました。

ザビエル上陸400年を記念して建てられたという「歴史的価値」と、 天井を高くする斜め梁の使用や、鹿児島産の石柱と柱頭飾り、窓枠等の擬造石といった「建築的価値」、 また文化的価値などから、移築再建されたものです。

「黙想の家」という施設は、もともとは信者の成長のための物です。
カトリック福岡黙想の家の敷地内の、奥の方に「黙想の家」はあります。

黙想を英語で「retreat＝引き退く」といいます。 カトリック信者たちが主日ごとに教会でミサにあずかり、信者の交わりをする他に、 年に2〜3回、静かな環境に引き退いて、静かに祈り、生き方について思い巡らすための施設です。

しかし時代は変わり、黙想の家の利用者も減りました。
信者さんたちの利用が減るに従って、この施設を宣教目的に使用したり、 信者でない方々を招く事の出来る行事を開催されたりしているそうです。

聖堂内部に入ると、中央にアーチ型の高い天井、その両側に側廊を設けた三廊式になっています。
天井が高く、大きな窓がはめ込まれ、また教会に多いステンドグラスが使われていないため、非常に明るい室内でした。
振り返ると、まるでロウソクが点って揺らめいているかの様な、荘厳な雰囲気が漂っていました。

この聖堂は、フランシスコ・ザビエルが1549年8月に鹿児島に上陸し、 その後、来日400年を記念して1949年に建てられました。 それを解体し、2003年に鹿児島からこの地に運び、再建にとりかかりました。 聖堂の正面と、両側面の石柱、高い塔、それに天井を高くするために入れた斜め梁と骨組みが特徴です。 2013年4月7日に建築的に完成し、聖堂再生プロジェクト修了式を致しました。 【2013年4月7日 ザビエルの誕生日 NPO法人文化財保存工学研究室】 [現地案内板より転記]

ザビエル聖堂を拝観した後に、敷地内の奥の方にある 「ルルドの洞」や「十字架の道行き」を見に行きました。

道の途中、案内板を頼りに左手に下ると「ルルドの洞」があります。
道を上り、案内板を頼りに右手に入ると、「ラファエルの水」があり、 ラファエルの水の正面に、「十字架の道行き」の入口があります。

ルルドはフランスの西南、ピレネー山脈の奥地にある小さな町の名前です。 今から150年前(1858年)、キリストの母マリアが町はずれの洞窟で、ベルナデッタという少女にお現われになって、 世界の人々に、回心のため、また平和のために祈るようにおすすめになりました。 そして、そのあかしとして、霊水がわき出て、その水を飲みあるいはそれに浸った人たちのうちに、 不治の病が完全に治るという奇跡が起こり、今もなお続いています。 このルルドの洞窟を模して、ラファエル鵜野神父さまがここに祈りの場所を造りました。 岩を流れるここの水も清らかで飲んでおいしく、心と体をいやす不思議な力があります。 毎年8月15日(聖母の被昇天祭)の晩、皆さまが捧げた祈り札を火にくべて神様に奉献します。 [現地案内板より転記]

「ラファエルの水」と名づけられた井戸水は、 水の分子クラスターが小さく、PH8.1のアルカリイオン水です。

そのラファエルの水の正面に、「十字架の道行き」の入口があります。

「十字架の道行き」とは、カトリック教会で行われる儀式で、 イエス・キリストの受難の捕縛から受難を経て復活まで15の場面を、個々の場所や出来事を心に留めて祈りを奉げるという物です。

祈りの森の中に造られた遊歩道を歩いて「十字架の道行き」を体験しましたが、 敷地内には大きな池もあり、その横を沿うように進む場所もありましたので、 歩きやすい靴を履いて、また複数名で巡行された方が良いと思いました。

「十字架の道行き」を歩いた記事は コチラ