長崎県平戸市田平町にあり、
国指定重要文化財 である田平天主堂は、
1918年に建立された赤レンガ造りの教会です。
平戸瀬戸を望む小高い丘に建つ田平天主堂は、長崎県内の数々の教会建築に携わった
鉄川与助(1879〜1976) の最晩年の作品で、
1915年(大正4年)12月着工、1917年10月竣工、1918年5月に献堂式が行われました。
長崎県内のレンガ造り教会堂としては最晩期の建築で、鉄川与助の最後のレンガ造教会堂です。
外観は、正面中央に八角形ドームの鐘塔を備え、外壁はレンガ造りおよび木造です。
レンガの繋ぎには、ミナの貝殻を焼いた石灰が使われ、それを作った竃跡が今も残っています。(天主堂に左手にある「貝焼き場」)
内部は三廊式で、円柱にはコリント風柱頭飾が施されており、天井はリブ・ヴォールト天井(こうもり天井)です。
内壁は木質にペンキ塗りで仕上げられ、連続するアーチの高窓、椿の花の浮き彫り、部分に使われた金色などが美しい空間となっています。
1886年にラゲ神父が黒島から、ド・ロ神父が出津から、信徒の数家族を横立地区に移住させたときに田平教会の歴史は始まりました。
教会堂の建設には、信徒の労働奉仕と近隣の教会の協力がありました。