杵築市山香町にある宿泊・日帰り温泉施設です。 バイキングレストラン「やまが」、めん処「香蔵」もあります。 杵築市は別府まで30分程度なので、温泉ならば泉質の何でも揃う別府で充分と思われるかもしれませんが、 ここ山香温泉は行く価値ありの素晴らしい温泉です。

"源泉かけ流し"を売りにした温泉施設は数多くありますが、 この風の郷にある"源泉かけ流し"の浴槽は、露店にある樽風呂の1ヶ所のみです。 この源泉かけ流しの樽風呂は、開業当時にはなく、当初は全ての浴槽が循環だったそうです。
10年程前に入浴剤を使った温泉偽装問題が明るみに出たりしましたが、 こちらの温泉はその逆で、余りに多い温泉成分を取り除いて循環させているそうです。 取り除くなんて勿体ない！と思いますが、温泉成分が強力過ぎて管理が大変なのでしょうね。 独特の匂いもありますしね・・・

館内には温泉の析出物(スケール)が飾ってあります。 『一週間でこんなに！　これだけ温泉成分が多く素晴らしい証拠です(が、メンテナンスが大変です・・・)』 と書かれています。

めん処「香蔵」で食事をすると、＋300円で入浴券セットに出来ました。 地元の猪肉を使ったメニューがあり、物珍しさにこちらで食事をしました。 カレー、お蕎麦などの通常の食事もありましたが、味の方に言及はしないでおきます。
バイキングレストランの方も＋300円で入浴券セットに出来る様です。
絶滅危惧種・日本イシガメを保護する運動を行っていて、中庭のイシガメ池では大人の亀たちが暮らしています。 赤ちゃんイシガメは、館内の水槽で飼われていました。

さて、お楽しみの温泉ですが、大人気の施設で、写真を撮るのは不可能でした。 靴を入れるロッカーは無料です。 休憩所には無料のロッカーがありますが、靴1足程度の小さなロッカーです。。 男女別の脱衣所には大きなロッカーがあり、こちらは10円で利用出来ます。 脱衣所にはトイレもあります。

大浴場は日替わりで男女が入れ替わります。 大浴場はガラス張りなので、解放感があり、明るいです。 内湯は大小の浴槽と、サウナ、水風呂があります。 初めは内風呂に浸かったのですが、透明のお湯にはっきりとしたカルキ臭が感じられました。
良いお湯なのに循環なのが残念・・・という訳で、内風呂はさっさと切り上げ、 露天に移りました。 お目当ての"唯一の源泉かけ流し"という「檜風呂」に一直線・・・ですが、足を付けてみると、水！？という程のぬるさ。 源泉の温度はかなり低い様です。 それでも「浸かってしまうと寒くない」という、地元のおばあちゃんの言葉を信じて、勇気を出して檜風呂へ入湯です。 褐色のお湯で足元は見えませんが、大人4〜5人程度が入れる小さな浴槽の中には、段差などはありません。 本当にぬるいので、湯口の側に浸かります。 入ったときは寒い！！のですが、浸かっているうちに、炭酸泉のおかげで血液の循環が良くなるからでしょうか？　 次第に温まって来ました。 ・・・とはいえ、冬の寒い日でしたので、やはりちょっと寒かったです。 しかし夏場はこちらの檜風呂は人で一杯だそうで、長時間利用出来る冬に行って良かったなと思いました。
檜風呂にじっと浸かっていると、体に細かな赤茶色い温泉成分が付着します。 これは初めての経験で、ここの源泉がいかに成分が濃いかを物語っている様子を、目で楽しめました。 匂いも独特で、何かを蒸した様な、発酵させた様な・・・何とも言えない匂いがしますが、 露天なので匂いが籠らずに、檜風呂の周りにふんわりと漂っていました。
檜風呂は平成18年に作られたそうですが、丸い浴槽の湯面のところには隆起した温泉成分で縁が出来、 お風呂の栓を繋いでいる鎖には固まった温泉成分でまん丸の玉が出来ていました。 この源泉が、余りに温泉成分が多いので、成分を取り除いて運営している・・・というのも納得です。 これはメンテナンスが大変でしょう。

折角の源泉かけ流しですが、このまま上がるとタオルや衣服に茶色の温泉成分がくっついてしまいますし、 何より風邪を引いてしまいそうなので、広い露天風呂に浸かり、温まります。 こちらは岩風呂で、温泉成分をろ過した循環の筈ですが、内風呂よりも肌触りがトロッとしていて、白濁しています。 舐めてみるとしょっぱいです。取り除いてもこんなに成分が残る程、成分の多い源泉なのですね。 温かなツルヌルのお風呂でゆっくり体を伸ばして、至福のひと時を過ごしました。

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