現鹿屋市串良町に位置した海軍串良航空基地は、 太平洋戦争末期に教育航空隊として開隊され、約5000人の飛行予科練習生が航空機の整備・搭乗・通信等の 猛訓練を受けました。
昭和19年4月には実戦部隊に編入され、昭和20年3月からは特別攻撃隊の基地として使用されました。
昭和20年8月15日の終戦を迎えるまでに、363名の特別攻撃隊員と210名の一般攻撃隊員が串良基地から飛び立ち、 その若く尊い命を失いました。

この地下壕は、串良基地の関連部隊との連絡が行われていた地下壕で、 特別攻撃隊員が突撃前に送る最後の電信(モールス信号)を受け取っていた場所としても知られています。
戦時中、ここでは隊員たちが24時間3交代制のもと、その任務にあたっていました。 当時この地下壕で勤務していた隊員の体験談によると、地下壕内には受信機や送信機のほか、 電話や発電機などが配備されていたとされています。 2ヶ所の出入口付近には、爆風を除けるための防御壁と土塁がそれぞれ設けられており、 当時の空襲対策の一端を垣間見ることができます。
特別攻撃隊との電信に使われた地下施設の中でも保存状態が良好であり、 戦争の記憶を後世に語り継ぐ貴重な戦争遺跡となっています。
[現地案内板より転記]

現在の地下壕第一電信室には、駐車場も整備され、9時〜16時には内部を見学できます。
地下壕のサイズは、深さ約7m、全長約57mもあり、 その中の電信室の部分は、奥行き15m、幅4mという、かなり大きな地下壕です。 電信室の横には通路があり、電信室入口に小部屋があった様です。

駐車場から近い方の入口から、地下壕へ入ります。 頑丈そうな防御壁と土塁が恐らく完全な形で残っており、地下壕に降りる四角い入口があります。
地下壕への階段は、横幅が1.5mはありそうです。
階段を下ると、左側に細い通路・通気孔があり、右側に小部屋と電信室があります。 通路は人がすれ違える位の幅で1m強くらいでしょうか。
広々として電信室には、串良基地で撮られた写真パネルが展示されています。 このページ上部に掲載しているのが、電信室の写真パネルです。

串良基地跡の戦争遺跡を回るなら、まず串良平和公園を探されるのが良いかと思います。 平和公園は沢山標識も出ているので分かり易いです。
平和公園の慰霊塔を見つけると、慰霊塔前の道路を見ると、 「鹿屋基地跡の地下壕第一電信室」の道路標示が見つかります。 矢印の方向へ進むと、「鹿屋基地跡の地下壕第一電信室」が簡単に見つかります。

串良平和公園一帯は、かつて旧串良海軍航空隊があったところです。
昭和44年10月に串良町及び旧串良海軍航空隊基地出撃戦没者慰霊塔建設期成会が中心となり、 平和の礎石となられた英霊の慰霊塔を建立しました。 また戦争の悲惨さを後世に伝えると共に、人類の恒久平和を願い「平和公園」と命名されました。 以来、毎年10月15日には、全国からご遺族や生存者たちが集まり、町民と共に追悼式が行われています。

慰霊塔の立つ付近を起点として、2本の道路が伸びています。 その2本の道路の位置が、串良基地の滑走路跡です。
東西1300m、南北1200mの滑走路跡の両脇には、 桜が植えられています。
公園内には2000本余りの桜があり、春には公園を埋め尽くす程の桜が咲き、 大隅半島の桜の名所となっています。