東与賀海岸 〜 シチメンソウとムツゴロウ 
東与賀海岸 〜 シチメンソウとムツゴロウ
佐賀市東与賀町にある有明海の干潟に面した泥の海岸で、全国的に珍しい シチメンソウ の群生地です。 秋には紅葉したシチメンソウが海岸を赤く染め、まるで赤いカーペットを引いたかの様に見えます。 だいたい11月の1ヵ月間が見頃の様です。 赤く染まるシチメンソウは「海の紅葉」とも呼ばれ、この時期には「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」とも 重なることから、多くの観光客が訪れます。
また、干潟にはムツゴロウやシオマネキなどの生き物も生息しています。

堤防前には「干潟よか公園」も整備されており、トイレや大型遊具もありますので、 大人から子供までゆっくり過ごせます。 毎年11月の第1土曜日には干潟よか公園を中心に「シチメンソウまつり」が行われ、 屋台の出店や夜間のライトアップが行われます。

堤防からシチメンソウの咲く海岸の方に降りていくと、シチメンソウの咲く干潟の中や散策道周囲の整備された石積みの辺りに、 直径3〜5cm程度のムツゴロウを沢山発見しました。 しかしどれも小さな赤ちゃんばかりだな〜と思って、海岸から広大な干潟を眺めると、そこにはもう少し大きな 10cm前後のムツゴロウがウジャウジャしていました。 何で少し位置が違うだけで大きさが違うんだろう???  東与賀海岸にはシチメンソウに関するパネルは建っていましたが、 そこに住む生物についての案内は一切なく、その場では分かりませんでした。 家に帰って調べると、どうやらムツゴロウと思って見ていたシチメンソウの近くにいた小さい魚は「トビハゼ」という生物でした。

干潟にはムツゴロウもトビハゼも生息していて、姿は良く似ています。 しかしトビハゼの方が小さく、ムツゴロウの半分くらいです。 成魚では、ムツゴロウが15cm程度、トビハゼが10cm程度だそうです。 トビハゼは灰褐色で小さな白点と大きな黒点のまだら模様があり、 ムツゴロウは褐色から暗緑色で、全身に白か青の斑点があります。 つまり斑点がある方がムツゴロウですね。よくよく見ると、体の柄が違います。

 ▲ 干潟よか公園



シチメンソウ】・・・アカザ科の植物で、ホウレン草と同じ仲間です。 塩生植物という、干潮の時には陸地となり、満潮の時に海水が入ってくる土地にだけ生える珍しい種類で、 朝鮮半島や中国東北部、そして日本の有明海沿岸など、 ごく限られた地域にしか生えていません。
幼植物の頃は部分的に淡紅紫色をし、 夏は緑色をしていますが、秋には鮮やかな赤に変わります。 様々な色に変わっていく様子がシチメンチョウの顔の様だということから、 「シチメンソウ」と名付けられたと言われています。

ムツゴロウ】・・・スズキ目・ハゼ科に属する魚の一種で、潮が引いた干潟の上で生活する魚として知られ、 日本・朝鮮半島・中国・台湾に分布しますが、日本では有明海と八代海のみに生息しています。
成魚は全長15cm、最大で20cmに達し、軟泥干潟に1メートルほどの巣穴を掘って生活します。 満潮時や夜は巣穴に入って生活しますが、昼間の干潮時には巣穴から這い出て活動します。 干潟の上で生活できるのは、皮膚と口の中に溜めた水で呼吸するためといわれていますが、 体が乾燥すると呼吸ができません。その為、ムツゴロウは時々体をコテっと転がして水分を補給しています。
植物食性で、口で潟の土を引っ掻き、泥の表面に付着している単細胞生物の珪藻(けいも)などの底生藻類を食べます。 1年のうちで最も活発に活動するのは初夏で、5〜7月の産卵期にはオスはメスにプロポーズするためにさかんにジャンプを繰り返します。 ムツゴロウ漁もこの時期に行われます。
ムツゴロウの蒲焼は佐賀県の郷土料理のひとつで、有明海に面した福岡の柳川地方でも食されます。

 ▲ シオマネキ

 ▲ ムツゴロウ

 ▲ 泥の海岸が広がる

 ▲ 赤い絨毯を引いたかの様なシチメンソウの紅葉
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東与賀海岸 DATA
住所佐賀県佐賀市東与賀町大字下古賀2885-2
電話番号
営業時間9:00〜17:00
定休日月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
駐車場無料。217台
公式HP
備考
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last visited : 2011/11/03