雲仙地獄 
雲仙地獄
雲仙で一番の観光名所といえば、言わずと知れた雲仙地獄です。 雲仙の古湯と新湯の間の白い土(温泉余土)におおわれた一帯の事で、 高温の噴気(ガス)や熱水(温泉)が噴出している個所を間近に見る事が出来る散策道が整備されています。 その中に大小さまざまな30程度の地獄があり、名前が付けられています。
雲仙地獄の入口は大まかに4ヶ所あり、入口に番号が付いています。 これだけ広大な場所に案内板や遊歩道など整備が整っているのに、地獄の入場は無料です。

 ▲ 遊歩道が完備されている雲仙地獄。人が立っているところがお糸地獄
雲仙を最初に開いたのは、およそ1300年前(701年)、奈良時代の僧「行基」だと云われています。 当時「温泉(うんぜん)」は、女人禁制の霊山として、西の高野山と呼ばれる程栄えていました。 そのためか、地獄の噴気箇所には、当時の仏教説話にもとづいた地名が数多く付けられています。
明治44年(1911年)には、日本で最初の「県営温泉(うんぜん)公園」となり、 昭和9年(1934年)に、瀬戸内海や霧島とともに日本最初の国立公園の指定を受けました。 その後、昭和31年に天草地域が追加され「雲仙天草国立公園」となりました。
雲仙の特徴ある自然は、四季折々、違った風景の表情を見せてくれます。 「自然と歴史を観る目」をもって、国立公園「雲仙」をお楽しみ下さい。 【現地案内板より】

では、名前の付いた地獄やその他のスポットを見て行きましょう。 地図中の下の方から順にご紹介します。

 ▲ 雲仙地獄案内図
国道57号を挟んで左側 <活発な地獄地帯> 国道57号を挟んで右側 <老年期を過ぎた地獄地帯>
その他
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八万(はちまん)地獄
地獄という言葉は、現世に悪いことをすると、死後に苦しみの世界に落ちるという仏教の説話に基づくものです。 いつの世も、地獄を恐れる人々の心は変わらず、このような荒涼とした場所に地獄のイメージを重ねてきたのでしょう。
八万地獄というのは、人が持っている八万四千の煩悩によってなされた悪行の果てに落ちる地獄のことだと云われます。 【現地案内板より】

島鉄バス雲仙営業所の正面にある、地獄入口番号Cから入ってすぐに広がるのが八万地獄です。 また 温泉神社 から雲仙地獄に入ると、この八万地獄に出ます。
この八万地獄は活動中ですが、清七地獄 と国道57号線を隔てて向かい側に、 旧八万地獄 という、活動を休止している地獄があります。

八万地獄付近では地獄の蒸気で蒸された温泉玉子が販売されています。 また、八万地獄には各旅館に温泉を引くパイプが特に沢山集まっています。
この八万地獄を見下ろす 八万地獄展望台 にも上ってみました。 そこからは八万地獄全体を見渡し、その背後に温泉街の街並みと緑豊かな山々が見えます。 眼下に広がる温泉街は、周囲の山並みと調和する赤茶色の勾配屋根と白い壁面で統一されています。

 ▲ 八万地獄展望台からの眺め。温泉街の屋根は赤茶色、壁は白で統一されている

 ▲ パイプ密集地

 ▲ パイプ密集地
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清七(せいしち)地獄
豊臣秀吉、徳川家康らの統一権力の時代に、キリスト教を禁じる政策がとられ、キリシタン禁制と呼ばれました。 江戸幕府は、キリストの絵を人々に踏ませる「踏み絵」をさせて信者を見つけ出し、この雲仙で処刑しました。
キリシタンで長崎に住む清七という男が捕えられ、処刑されましたが、そのころにこの地獄が噴出したといわれ、 この名がつけられました。 【現地案内板より】

清七地獄は国道57号沿い、地獄入口番号Bに広がる地獄です。 九州ホテルの横にあります。 この清七地獄と国道57号を挟んで向かい側には、旧八万地獄 があります。
また、国道57号を挟んで清七地獄の斜め前には、
賽の河原 と呼ばれ、 お地蔵様が祀られています。

 ▲ 国道57号沿い、九州ホテル前から見た清七地獄
清七地獄と駐車場の間にかかる遊歩道は「湯けむり橋」と名付けられています。 名前の通り、この辺りは特に湯けむりが多く、強い硫黄の臭いがし、 風向きによっては水蒸気で視界が遮られたりします。
この湯けむり橋の横に有料駐車場がありますが、車体に地獄の湯けむりが容赦なく襲い掛かります。 短時間だから問題ないのでしょうが、車に悪そうですよね?

清七地獄付近を散策していると、九州ホテルの露天風呂を楽しむおじさんの姿が見えました。 地獄とミヤマキリシマを眺めながら、地獄の湯に浸かるなんて最高ですね〜

ここから遊歩道を進んで行くと、小さな地獄、雀地獄 があり、 更に進むと広くて眺めの良い地獄地帯に出ます。

 ▲ 清七地獄と湯けむり橋

 ▲ 清七地獄

 ▲ 清七地獄

 ▲ 九州ホテルの露天風呂らしい
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雀地獄
このあたり一帯では、地下から噴き出したガスが水中ではじけて、ピチピチと小さな音をたてています。 丁度スズメがたくさん集まって鳴き騒いでいるような感じがするので、このような名前になりました。 【現地案内板より】

同じ九州内にある雀地獄といって一番に思い浮かんだのは、 熊本県南小国町の 黒川温泉 近くにある すずめ地獄 です。 南小国町の方は雀などの小動物がガスや冷泉によって死んでしまう(実際には死なないと思われる)ことから名づけられていますが、 雲仙の雀地獄は雀の鳴き声から名づけられているのですね。

 ▲ 雀地獄
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お糸地獄
その昔、島原城下で、たいへん裕福な生活をしていたのに密通をしたあげく、 夫を殺してしまったお糸という女がいました。
お糸が処刑されたころにこの地獄が噴出したので、 「家庭を乱すと地獄に落ちるぞ」という戒めを込めてこの名前がつけられたと云われます。 【現地案内板より】


 ▲ お糸地獄

 ▲ お糸地獄。湯だまりには今もブクブクと温泉が湧く
お糸地獄は明治に噴出したと云われる比較的新しい地獄です。 湯だまりがあり、今も活発にブクブクと熱湯が湧き上がっているのが見えます。

お糸地獄の横からは上り坂になっており、上って行くと東屋のある展望休憩所があります。 お糸地獄の近くには温泉玉子などを販売する売店があり、 坂の途中に大きな岩・真知子岩 があります。

 ▲ 展望所付近からの眺め
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真知子岩
昭和29年に映画「君の名は」のロケが雲仙で行われ、佐田啓二、岸恵子が雲仙を訪れました。 この真知子岩は、ヒロイン真知子を演じる岸恵子さんが手を付いた岩です。
番組の冒頭で使われた 「忘却とは忘れ去ることなり 忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」という有名な言葉が刻まれています。

 ▲ 真知子岩
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キリシタン殉教碑 / 聖火燃ゆ之碑
キリシタンが厳しい弾圧を受けていたころ、幕府は改宗を迫る手段として、 温泉の熱湯をかけるというひどい仕打ちを行っていました。
寛永4年(1627年)からの7年間にこの地で殉教していった物は33名といわれています。
この地獄を見下ろす丘の上に建っている十字架は、今なお殉教の信徒をたたえています。 【現地案内板より】

沸々とたぎり轟々と噴騰する硫黄地獄、1627年から5年間ここで行われた “雲仙地獄の殉教”は早くから海外にまで知られて人々の胸をゆすぶった。 或は硫黄涌き立つ湯壺に投せられ、または全身に熱湯を注がれながら屈せず、 信仰に殉じたもの数十名。 “身体を殺して霊魂を害し得ないものを恐れるな”との聖訓を奉し、 神への忠誠と霊魂の尊厳とを重んじて、 拷問と死とに打ち克った聖なる殉教者たちの誉れは永くここに留まる。 1961年11月5日 カトリック長崎大司教区 【キリシタン殉教記念碑より】

十字架の下には1627年2月28日に殉教した16名、同5月17日に殉教した10名の名前が刻まれています。 その右側の石・キリシタン殉教記念碑の下には、 1628年12月25日にこの地で殉教した1名の名前と、 ここで拷問を受け、その後 1632年9月3日に長崎で火刑により殉教した5名の名前が刻まれています。 現在、ここに名前が刻まれている殉教者は32名です。

十字架の左側に建っている石碑は「聖火燃ゆ之碑」です。 生田蝶介が昭和3年に出版した小説「聖火燃ゆ」の取材で、 昭和2年に雲仙を訪れたときに、殉教者に捧げた一首 『今もなほ丹きつつじの山こめて聖き血しほの燃ゆるなりけり』が刻まれています。

 ▲ キリシタン殉教碑

 ▲ キリシタン殉教碑と聖火燃ゆ之碑
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雲仙地獄のだいたい真ん中辺りに位置し、お糸地獄真知子岩 の周りに広がる白い温泉余土の地獄地帯は、温泉余土の面積が広く、なだらかな傾斜になっており、 美しい地獄谷の風景を見せてくれています。
お糸地獄から真知子岩へと続く遊歩道を真ん中の道とするならば、 キリシタン殉教碑 へは左側の遊歩道を進みます。 そしてお糸地獄から右側の遊歩道は、九州ホテルの裏側から宮崎旅館の裏側へと続いています。 この遊歩道沿いには特に名前の付いた地獄はありませんが、 温泉を引くパイプ、湯だまり、ミヤマキリシマなど、地獄谷の様子を観察しながら散策します。

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 ▲ ミヤマキリシマが咲く。花園山付近

 ▲ バケツがあるのは、旅館の人が何か作業しているから
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大叫喚(だいきょうかん)地獄
現在、最も活発な噴気活動をしているのがこの一帯で、大叫喚地獄と言います。 雲仙地獄の一番高い位置にあって、白い噴気は30〜40mにも上がります。 ゴウゴウという噴気音が、地獄に落ちていく亡者の絶叫のようにも聞こえ、この名前が付きました。
噴気は120度もの高温の水蒸気で、硫化水素ガスを含み、強い硫黄の臭いを漂わせています。 【現地案内板より】

 ▲ 大叫喚地獄

 ▲ 大叫喚地獄近くの東屋にあるお地蔵様
右の写真では、手前の方が邪見地獄、奥に見える東屋の辺りに大叫喚地獄があります。
大叫喚地獄は噴気が物凄くて噴気の周りは見えませんが、 じっと噴気が出て来ているところを見ていると、水蒸気と一緒に温泉も噴き出しているのが見えます。 轟々という大きな音と蒸気がすざましく、地球のエネルギーを感じます。

 ▲ 邪見地獄から大叫喚地獄へと続く
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邪見地獄
邪見というのは、人を妬む、醜い心の事です。 この温泉のお湯を飲むと、夫婦や友達の間で生じた、嫉妬心による不和を解消すると言われています。
ところが実際には強酸性の温泉で、とても飲めるような物ではありません。きっと、邪見を捨てる場所という事なのでしょう。 【現地案内板より】

 ▲ 邪見地獄とミヤマキリシマ

 ▲ 邪見地獄
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婆石(ばばいし)と鏡石(かがみいし)
生前に悪い行いをした物に、どのような苦しみを与えるか判断する閻魔大王が座る場所が「葬頭川(そうずがわ)の婆石」です。 鏡石は、亡者の善悪を見分けるのに使う道具です。
閻魔大王も判断できない難題も、この「浄瑠璃の鏡石」に映せば一目瞭然、ただちに善悪が判定されるといわれています。 【現地案内板より】

 ▲ 葬頭川の婆石

 ▲ 浄瑠璃の鏡石
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泥火山(でいかざん)
地下の温泉に泥土が混ざり込み、泥の量の方が温泉水より多くなると、 地下から噴き出してくるガスは、泥土を吹き上げるようになります。
その泥土が噴気口の周囲にたまって、円錐形の火山の模型のようになったものが 泥火山です。
温泉熱などの影響で灰白色の粘土ができた所で見られる現象です。 【現地案内板より】

 ▲ 泥火山(でいかざん)


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雲仙市のお宿 雲仙市関連商品 長崎関連商品 information
九州ホテル
絶景!地獄谷の上に建つ立地抜群の老舗宿。 雲仙地獄に佇む立地抜群の老舗ホテル。モダンな客室や個性的なコンセプトをもつレストランで味わう料理が好評。雲仙最大の貸切露天など多彩な趣の温泉の他、エステ・お土産ショップなど施設も充実。
雲仙宮崎旅館
雲仙地獄と日本庭園に囲まれた宿。きめ細やかなおもてなしが自慢。 2部屋に1人の係を配したきめ細やかなおもてなしを心がけております。。夕食は好評お部屋食(全室対応)。自慢の温泉は雲仙地獄が源泉の掛け流しの湯。白濁した硫黄泉を一晩中お楽しみいただけます。
梅ヶ枝酒造たっぷり苺
雲仙・島原産の苺(さちのか)100%使った美味しい苺のリキュール。 長崎県は、苺が日本に伝来した最初の地です。 またその生産量は、日本で4番目に多く、 さらに、その中でも、雲仙・島原地区は、県内生産量の半分以上を占めています。 そこで、この雲仙・島原産の苺(さちのか)のみを用いました。 すりおろした苺の果肉入りで、1本あたり5粒分の果肉が入っています。 苺の華やかな香りと、甘酢っぽい味わいがたっぷりと詰まった贅沢なお酒です。
四海樓
長崎グラバー園の入り口にそびえる中国風の建物が四海樓です。 福建省出身の陳平順(ちんへいじゅん)が食べ盛りの留学生のために考案したのが始まりと言われています。 その後、長崎で多く広まり、「四海樓」を立ち上げたくさんの人に好まれるようになった「ちゃんぽん」です。
NECビッグローブ
【BIGLOBE WiMAX】・【BIGLOBE 3G】
雲仙地獄 DATA
住所長崎県雲仙市小浜町雲仙
電話番号0957-73-3434(雲仙観光協会)
営業時間終日解放
公式HPhttp://unzen.org/
備考

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last visited : 2012/05/03