佐賀県唐津市相知町にある蕨野の棚田は、江戸中後期から昭和20年代にかけて造成された全国でも最大規模な棚田です。 八幡岳(標高764m)の北側斜面に約40ha(現在の耕地面積は約36ha)にわたって広がる、約1050枚の棚田です。
八幡岳は玄武岩でできており、標高400mの位置には堆積岩と火山岩の境があり、そこから湧水が出ていました。 そこで湧水を利用できる標高400mから下に、土を掘り起こして出てきた玄武岩を石積みにして棚田を造って行きました。

平成11年に「日本の棚田百選」に選定され、平成20年には棚田では初めて「国の重要文化的景観」に選定ました。

棚田には猪が侵入しない様に金網の扉が設けられているところがありました。 棚田の中には入れないのかなと思っていると、田んぼを見に来られていた農家の方が、 扉を開けて入れますよと教えて下さいました。

棚田の中の農道を歩くと、棚田の一枚一枚を形成している石積みの雄大さ、力強さを感じられます。
石積みの高さは平均3〜5mですが、一番高いもので8.5mにものぼり、棚田の石積みとしては日本で一番高いとされています。
石積みは石垣棟梁と呼ばれる石工と、それを助ける村人たちによって共同作業で造られました。 また石積みの中には暗渠(あんきょ)と呼ばれる水路があり、棚田の隅々まで水が張り巡らせるようになっています。

蕨野の棚田を一望できる大平展望所からは、素晴らしい景色が広がります。
この展望所には、手作り感漂うハート型のフレームが設置されています。 成る程、ここから見ると、棚田の真ん中辺りがハート型に見えます。
同じ佐賀県にある「浜野浦の棚田」の様に、いつか恋人の聖地になるのでしょうか・・・？

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