人間魚雷「回天」とは、第二次世界大戦末期に窮地に立たされた日本の戦局を逆転させようと、 大日本帝国海軍で考案された特攻兵器です。 「回天」という名称は、「天を回らし戦局を逆転させる」という意味で名付けられました。

日本国内に存在した回天の基地は、 山口県周南市の徳山湾に浮かぶ 大津島 (大津基地)に最初に設置され、 その後、同じ山口県内の光(光基地)、平生(平生基地)に、 最後にここ大分県速見郡日出町大神(大神基地)が設けられました。

現在は回天記念公園が整備され、回天の実物大模型、駐車場、トイレなどが設置されています。 その周囲には訓練基地の遺構が数多く現存しています。

回天の実物大模型の横には、コンクリート製の魚雷調整プールが現存しています。 回天を捲揚機でこのプールに沈め、水漏れなどを検査していました。

回天を格納していたトンネル跡です。 現在、現地で入手出来るパンフレットに記載されている回天格納壕は2つあり、 回天1基が収納できるものと、回天8基が収納できるものがあります。

右写真の回天格納壕は、回天8基を収納できるもので、 壕の奥行きは約120mあり、 終戦直前には、爆薬を搭載した回天8基が格納されていました。
現在もトンネルは反対側まで通じており、反対側の光を見る事ができます。

昭和20年8月3日に大神基地から唯一の出撃があり、 8名の隊員及び整備員が、回天8基と共に愛媛県の宿毛港麦ヶ浦へ出向しました。 その時に回天8基を収納していたトンネル跡なのです。
この8名は8月12日に出撃待機命令を受けましたが、出撃しないまま、8月15日に終戦を迎えました。

そしてすぐ近くに、1基を収納できる格納壕があります。 こちらは半分くらい土に埋まっている様でした。

回天神社へと上る登り口に、酸素圧縮ポンプ室壕があります。 回天に搭載する圧縮酸素を製造するポンプ等を設置していたとされています。 内部にはコンクリートの構築物が残っています。

回天神社は大神回天基地内にありましたが、戦後現在の場所に遷座されました。 境内には回天の１／３の模型と海中から引き上げられた回天の推進部が飾られています。
回天の基地は全国に4ヶ所ありましたが、回天神社が存在するのはここ大神のみで、 日本で唯一(という事は世界で唯一)の回天神社であると思われます。 (特攻の回天と関わりのない同名の神社は国内にあり)

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アルコール、重油、鉱油等の燃料が格納されていた素掘りの壕。 内部はＬ型になっており、戦後しばらくは燃料等が格納されていました。
現在は水没しており、内部のＬ型も見えない状態です。

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