石見銀山 で唯一、常時一般公開されている坑道がこの「龍源寺間歩」です。
「間歩(まぶ)」とは、銀鉱石を採掘するための坑道の事で、
石見銀山には大小600余りの間歩が点在しています。
「龍源寺間歩」は、大久保間歩(870m)に次ぐ大坑道で、本来の長さは600mに及んでいます。
江戸時代前期に開発され、昭和18年まで稼働していました。
坑口の横には番所(管理小屋)を設け、四ツ留と呼ぶ坑木を組み合わせて坑口としています。
坑道は、ほぼ水平に約600m掘り進んでおり、高さ1.6〜2m、幅0.9〜1.5m、
採掘と同時に鉱石運搬の幹線坑道としても使ったようです。
内部の岩質は角礫凝灰岩(かくれきぎょうかいがん)、坑道の壁面や天井にはのみ跡が残り、
鉱脈を追って掘り進んだ小さな坑道(ひ押し抗)や上下方向に延びる斜坑を見る事ができます。
排水用の坑道でもあった下の「永久坑」へ降りる垂直の竪坑も残っています。