湯浦温泉は葦北郡芦北町に位置する、万葉集にも詠まれた景勝地「野坂の浦」に注ぐ 湯浦川沿いに湧く温泉地です。 開湯は奈良末期の宝亀年間(770〜780年)と云われる、大変歴史の古い温泉です。

しかしながら、今では河川沿いにある集落に、温泉である旨の看板がぽつんぽつんと出ている感じで、 “温泉街”という主張はありません。
訪れたのが5月だったので、多少は盛り上げるべくの鯉のぼりが泳いでいたくらい・・・

共同湯の「湯浦温泉センター」や「岩の湯」「ささ原温泉」などの日帰り施設のある中で、 宿泊施設を備えた温泉は、ここ「亀井荘」のみなのだそうです。(他にもあるのかな・・・？)

湯浦温泉亀井荘は、「九州八十八湯めぐり」にも登録されている温泉宿で、 立ち寄り入浴も出来ます。
今回は当日予約・素泊まりで温泉付きのお宿を探していて、亀井荘を発見。 とにかくお湯が良さそうなので、こちらに決定しました。

外観は写真の通り、昔ながらのちょっと古びたお宿で、 お宿の入口には、『九州八十八湯めぐり』『立寄り入浴できます』の文字や、 利用料金(大人200円・子供100円)が手書きされた黒板がありました。
館内に入ると、玄関から延びた廊下や内装はリニューアルした感じで、綺麗で艶々していました。
しかしながら、宿泊したお部屋は昔のままなのでしょう。 かなり古ぼけたものでした。

さて、肝心のお風呂は、浴室が2つあり、日によってなのか、時間によってなのかは分かりませんが、 男女が入れ替わっている様です。
到着した日はライオンの湯口のある小さな方の浴室、 翌朝はリニューアルした感じの綺麗な浴室でした。 どちらも大人5〜6人程度入れる広さです。 しかしネットを見ていると、更に大きな浴室がもうひとつある様です。 その日のお客の人数によって使い分けているのでしょうか。 広い浴槽にも浸かってみたかったな。

右の写真のライオンの湯口のある浴室は、昔からある浴室の様で、 脱衣所も壁を塗りなおしている様ですが、年季が感じられます。
脱衣所は狭いのですが、浴室はかなり広々しており、 広々した空間の隅っこに小さめな浴槽があります。
ライオンの湯口からはかけ流しのお湯がとうとうと流れ出ており、 その横には水の蛇口があるので、加水が出来る様です。
しかし源泉温度が39.7℃というこちらの温泉は、 長時間浸かっていられそうな、ぬるめのお湯でした。

お湯は無色透明で、臭いや味はほとんどなく、 湯の花などの浮遊物もありませんでした。
ぬるっと感はありませんが、肌触りがとても良く、 非常に細かな泡付きがありました。 その為、湯の中で肌に触れるとツルツルすべすべしています。
新鮮なお湯の成せる技でしょうか。
泉質は単純温泉(低張性 弱アルカリ性 温泉)で、 源泉温度39.7℃、湧出量122�g/分です。
洗い場の蛇口の真っ黒具合から見て、カランからも温泉が出ている様ですね。

翌朝利用したのは、こちらの新しい浴室です。 脱衣所・浴室ともにこじんまりしたものですが、新しいので気持ち良く利用しました。 浴槽は大人4〜5人程度といった感じでしょうか。
前日同様、つるすべした温めのお湯で、長時間浸かってしまいました。 この気持ち良さは格別ですね〜

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