熊本県人吉市の 人吉温泉駅 から熊本県球磨郡湯前町の湯前駅を結ぶ路線が、 くま川鉄道湯前線です。 くま川鉄道は、旧日本国有鉄道(国鉄)特定地方交通線の鉄道路線湯前線を、 人吉市など沿線自治体の出資で運営している第三セクター会社です。 だいたい1時間に1本の間隔で運行されていますが、時間帯によって2時間間隔のところもあるので、 事前に時刻表を良く調べた方が良いでしょう。

くま川鉄道の車両に、深緑色の新しく可愛らしいデザインの車両があります。 新車両のデザインは、九州新幹線やSL人吉、熊本駅などを手掛けた水戸岡鋭治氏が担当したもので、 「KUMA-1」「KUMA-2」の愛称が付けられています。 車内には球磨の植物を閉じこめたクリアアートや、自然に関する本や絵本を集めたミニ・ライブラリーが 設置されています。

くま川鉄道湯前線は全線に渡って球磨川と並行して走っているので、 山間部を進むのだろうと思っていましたが、 殆どが人吉盆地の平野部を走っていて、 田園風景が広がっていました。 人吉温泉駅を出発して最初は球磨川のすぐ側を走ったり、球磨川を渡ったりしますが、 それ以外は球磨川を見ることはなく、平野部なので思ったより田舎感は感じませんでした。

くま川鉄道湯前線は全線単線のため、【人吉温泉⇒湯前】の下り線と、その逆の上り線が「あさぎり駅」で離合します。 運行方式は、人吉〜あさぎり間がタブレット閉塞式、あさぎり〜湯前間がスタフ閉塞式を採用している為、 あさぎり駅でタブレットとスタフの交換が行われます。
鉄道に関する知識のない私に、くま川鉄道の駅員さんが簡単に説明して下さった話では、 この大きな輪っかの付いた古いディスクの様なもの、これが列車の通行手形の様なもので、 【湯前〜あさぎり】はディスクの中が丸い(写真参照)もの、 【あさぎり〜人吉温泉】まではディスクの中が四角いもので、 これがないと該当区間を列車が運行できないそうです。 なので、あさぎり駅に到着した下り線の駅員さんが、スタフを持って上り線の列車に行き、 タブレットと交換して列車に戻って来ました。
この方式を現在でも採用しているのは、九州ではくま川鉄道のみだそうです。

球磨郡あさぎり町にある駅で、近くにある岡留熊野座神社が幸福神社と呼ばれるので、この駅名がつけられました。 隣接する売店には幸福グッズ、特産品、レンタサイクルもあります。 駅名がとても縁起の良い名前であることから、 記念切符が売り出されています。 記念切符は人吉温泉駅、あさぎり駅、おかどめ幸福駅売店で販売されている他、郵送販売もしています。

湯前駅は、球磨郡湯前町にある くま川鉄道湯前線の終着駅です。 駅に隣接してふれあい交流センター｢湯〜とぴあ｣があり、ここでレンタサイクルを借りる事ができます。 すぐ近くに「湯前まんが美術館」があります。

◆ じゃらん
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