石仏や古寺が点在し「仏の里」と称される国東半島ですが、 その国東半島にもキリスト教徒が存在しました。 日本人として初めて聖地エルサレムを訪れた日本人キリスト教徒 は、 国東市国見町出身の人物、ペトロ・カスイ・岐部(1587〜1639年)です。

ペトロ・カスイ・岐部は、現：大分県国東市国見町岐部でキリスト教徒の両親のもとに生まれました。
13歳で有馬のセミナリヨに入学しましたが、江戸幕府によるキリシタン追放令によってマカオへ追放され、 同地で司祭を目指してコレジオで学びますが、叙階が叶わないと知ると、 独力でローマのイエズス会本部を目指しました。 マカオ〜マラッカ〜ゴア〜インド〜ペルシャ〜ホルムズ〜バグダードと渡り、 聖地エルサレム入りを果たし、出発から3年を経た1620年にローマへ辿り着きました。

同じ年に司祭叙階を受け、2年間イエズス会員としての養成を受けた後、リスボンに赴き、誓願を宣立しました。 そこから20人のイエズス会員と共にインドを目指し、遥か海路にて喜望峰を回ってゴアに辿り着きました。
日本への帰国を希望しましたが、宣教師の入国は厳禁であった為、東南アジア各国を回り、 マニラから日本への入国に成功、鹿児島に到着したのは、日本を出国してから16年経ってのことでした。
この様に近世初頭の日本人の中で最も世界を渡り歩いたため 「日本のマルコ・ポーロ」「世界を歩いたキリシタン」ともいわれています。

帰国したペトロ岐部神父は、潜伏しながら長崎から東北へ向かいましたが、 1639年にキリシタンの家に匿われていたところを密告により逮捕されました。 江戸に送られ、激しい拷問を受けましたが棄教せず、逆に、棄教していた沢野忠庵に信仰に戻る様勧めたり、 他の信徒を励ましたりしていました。 1639年7月4日に享年52歳にして、斬首により殉教しました。

福者ペトロ岐部司祭と187殉教者は、2008年11月に列福されました。

ペトロ・カスイ・岐部記念公園内には小さな記念聖堂があり、通常は施錠されている様した。 入口に連絡先の電話番号が貼られており、そちらに連絡すれば中を見せて頂ける様です。

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