この原酒貯蔵庫として利用されているトンネルは、旧国鉄時代に九州横断鉄道建設の為に掘られたトンネルです。
九州横断鉄道建設の計画は、明治29年に熊本〜延岡間に鉄道を敷こうという議論に始まります。
大正11年には熊本〜延岡間を国定鉄道網として指定、高森線の工事に取りかかりました。
そして戦前に熊本〜高森間は開通、延岡から延ばしてきた高千穂線も昭和47年に高千穂まで完成しました。
後は高千穂から高森までが繋がれば、九州横断鉄道は完成する筈でした。
昭和48年には高千穂新線に着工しましたが、昭和50年に高森側のトンネル工事で大量の地下水が湧き出る事故が発生し、
工事が中断してしまいました。
その高森側の出水事故を起こしたトンネルは、現在「
高森湧水トンネル」として観光利用されています。
高千穂側にはすでにトンネル5つ、橋梁17ヶ所が造られていましたが、
そのトンネルのひとつ「葛原トンネル」を2000年(平成11年)に神楽酒造が「トンネルの駅」として開業させました。