羅漢寺 @ (参道入り口〜禅海堂〜結縁地蔵と千体地蔵) 
羅漢寺
大分県中津市本耶馬渓町にある曹洞宗の寺院で、山号は耆闍崛山(ぎしゃくつせん)、本尊は釈迦如来です。 大化元年(645年)にインドの僧・法道仙人がこの地で修業したことに始まると伝えられています。
羅漢山の中腹に位置しており、険しい岩肌に無数の洞窟があり、山門や本堂もその中に埋め込まれるように建築されています。
日本三大五百羅漢の一つに数えられ、境内には五百羅漢をはじめ千体地蔵など、三千数百体の様々な表情をした石仏が安置されています。

 ▲ 羅漢寺

 ▲ 羅漢山の中央に耶馬渓リフトが見え、リフトの右手(山の中腹)に羅漢寺が見える。山麓左手に見える穴の開いた奇岩周囲が古羅漢
耆闍崛山羅漢寺(ぎしゃくつせんらかんじ);
大化元年(645)印度より渡来した法道仙人は当山の霊峰に感動し、 この地に鎮座修禅して羅漢寺を開いたといわれています。 仙人がこの地を去る際に残した観世音像(エンブダゴン)は、この寺の霊宝として 大切に保存されています。
暦応の頃(1338)栄西禅師の法孫、円龕昭覚禅師(えんがんしょうかくぜんじ)が この地を訪れ、耆闍崛山羅漢精舎と号しました。 これが当山、山号の由来です。 その後、円龕昭覚は訪ね来た逆流建順(ぎゃくりゅうけんじゅん)とともに十六羅漢、五百羅漢など 三千七百余体の石像を建造し、延文五年(1360)に完成、一千人余りの僧侶が集まり 開眼供養が行われたといわれています。
以来、臨済宗二十六代を経て、慶長五年(1600)長州深川大寧寺より鉄村玄鷟(てつそんげんぞく)禅師が入山してから 曹洞宗に改まり、現住職まで二十七代となっています。
[平成15年10月に設置された現地案内より転記]
羅漢寺参道の入口には無料駐車場と土産物屋、食事処があります。 参道入口から階段を少し上ると、左手にリフト乗り場があり、 このリフトで羅漢寺まで3分、山頂まで6分で楽々登れてしまうのです。
勿論、リフトを使わずに歩いて登る事も出来ます。 リフトで簡単に登ってしまうと見れない所もあるので、足腰に自信がある方、 時間の十分ある方は歩いてみるのも良いかもしれません。 徒歩で羅漢寺本堂までにかかる時間は約20分だそうです。

 ▲ 参道入り口と土産物屋

 ▲ 参道入り口
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 ▲ 禅海堂
禅海堂
リフト乗り場の手前には、「青の洞門」を彫った 禅海和尚の遺品を納めた『禅海堂』があり、無料で拝観出来ます。 「登山前に遺品説明をいたします。ご観覧ください。」という立札がありましたが、登山前には閉まっており、下山後拝観しました。

手掘りで青の洞門を掘削したという禅海和尚を偲ぶお堂で、 堂内には、洞門を掘るのに使用した鎚(つち)や鑿(のみ)、行脚に使用した金剛杖や、 托鉢(たくはつ)に使用した鉢、 使用していた茶釜などの遺品が展示されています。 また、お守りや数珠、禅海和尚のキーホルダーなどの物品販売も行われていました。
遺品の奥には「真如禅海墓」と書かれた禅海和尚のお墓があり、お墓前には 禅海和尚像が安置されています。 禅海和尚のお墓は羅漢寺旧参道沿いにある智剛寺にあるとされているので、 分骨でもしているのでしょうか。

 ▲ 禅海堂

 ▲ 青の洞門を掘ったノミなどを展示

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耶馬渓観光リフト
禅海堂裏側にリフト乗り場があり、 山頂までのリフトが出ています。 3分で「羅漢寺駅」へ、更に3分で「山頂駅」へ到着です。
「禅海堂リフト乗り場」からゆらゆらとリフトで出発するとすぐ、 眼下に羅漢寺の駐車場前に聳える「古羅漢」を見下ろす事が出来ます。 山を切り開いた中を進むリフトは、途中下車の「羅漢寺駅」までは割と緩やかな勾配で、 しかしそこから山頂駅までは急勾配で進みます。

 ▲ リフトに乗ると後ろに「古羅漢」が見える
リフトは1人乗りのスキー場のリフトの様な物ですが、すぐ下に金網が張ってありますので、 落ちる事もないでしょうが、万が一落ちても怪我をする事はないでしょう。

 ▲ リフトから見えた石仏

 ▲ 羅漢寺駅の先は急勾配

 ▲ 眼下に古羅漢、奥に耶馬渓の山々を見渡す

 ▲ リフト乗り場から見た古羅漢
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リフトの途中下車駅「羅漢寺駅」で下車すると、徒歩2分で羅漢寺本堂です。 この天然の岩の穴を通り抜けると、岩肌を添うように作られた参道があり、羅漢寺の山門へと続きます。
山門の手前には、大きな巌に埋もれる様に建てられた 結縁地蔵千体地蔵 があり、 中に無数の石仏が安置されている他、その周囲にも幾体もの石仏が並んでいます。

 ▲ この穴を抜けて進む

 ▲ 巌窟に石仏が並ぶ

 ▲ 結縁地蔵尊の左手

 ▲ 結縁地蔵尊

 ▲ 結縁地蔵尊の右手の石仏

 ▲ 山門から、千体地蔵尊(右側)と結縁地蔵(左奥)を見る。この先がリフト乗り場

 ▲ 千体地蔵から山門を見る。リフトからの道と、山道を進んだ石段が重なる
千体地蔵;
寺伝によると、室町期、普覚禅師(ふかくぜんじ)という高僧がこの千体地蔵と十王尊を刻み安置したとされています。 納められている石仏の数は、1100体以上を数えます。
また、舞台が設置されたのは万延元年(1860)で、千体地蔵が安置されてから約500年後のことです。
[現地案内板より転記]
参道沿いの岩窟に 結縁地蔵尊 や幾つもの石仏、石碑などが収められています。 石仏は座っている物、肘をついた様に見える物、横になっている物など様々で、色々な体制や表情を見るのも楽しいものです。

千体地蔵尊 は岩窟の中に舞台が造られており、舞台の上のお堂に安置されています。 この千体地蔵は水子供養の地蔵尊とされています。
十王尊とは仏教で、地獄において亡者の審判を行う、いわゆる裁判官的な尊格です。 十王尊は知らずとも、 閻魔王は誰でも知っている尊王ではないでしょうか。

 ▲ 千体地蔵。十王尊の左から

 ▲ 千体地蔵。閻魔大王の表情がリアル
結縁地蔵や千体地蔵尊のお堂には、願い事が書かれた“しゃもじ”が打ちつけられています。 ここ羅漢寺は絵馬の代わりにしゃもじを奉納するお寺としても知られているのです。 しゃもじの由来は、【ご飯をすくう⇒願い事を救う(すくう)】ことからだそうです。

春に訪問したので、地蔵尊に打ちつけられたしゃもじの数は少なかったのですが、 これは絵馬と同じく、大晦日にしゃもじを焼く「しゃもじ供養」が行われている為です。 年末に訪れたら、お堂が沢山のしゃもじに包まれている事でしょう。
奉納の為のしゃもじは、この先の『無漏窟』で購入します。

 ▲ 千体地蔵
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 ▲ 羅漢寺周辺案内図
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羅漢寺 DATA
住所大分県中津市本耶馬渓町跡田1501
電話番号0979-52-2211
休業日無休
参拝時間8:30〜17:00
公式HP
備考無料駐車場あり
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last visited : 2013/05/03