大分県には「熊野磨崖仏」や「臼杵磨崖仏」など有名な磨崖仏を筆頭に、 全国の磨崖仏の8割近くが集中していると言われています。 また豊後磨崖仏は巨大な彫刻が多く、ここ普光寺磨崖仏もそのひとつで日本一の大きさを誇ります。 本堂境内から左側が谷になっていて、向かいの断崖に大きな3体の磨崖仏と、大きな2つの洞窟が見え、 その大きさと迫力は圧巻です。
訪れた時は菜の花の季節でしたが、ここは紫陽花寺としても有名で、約3000株の紫陽花が植えられています。 紫陽花と磨崖仏のコラボレーションも幻想的でしょうね。
この寺の始まりは日羅(にちら)によって創建されたと云われています。 古くは普光山筑紫尾寺(ちくしおじ)と号していましたが、1662年(寛文2年)に普光寺と改めました。
また、現在はピアノ寺とも謳ってありますありますが、なぜなのでしょう？　 洞窟の中にステージらしき場所があり、アカペラで歌えと楽譜が置いてありました。 えっ、ピアノ寺なのにアカペラ？？？

中央の大不動明王は高さが11.3mで磨崖仏(浮き彫り)の中では日本最大です。 左に制多迦(せいたか)童子、右に矜羯羅(こんがら)童子の二童子(いづれも5.5m)を従えています。 鎌倉期の作と言われています。 不動は右手に剣、左手に捕り縄、盤上にあって体から猛炎を放ち、仏法を強力に広めようと、憤怒の形相をして睨んでいます。 雨に打たれると光背火炎がくっきりと浮き出て、一層鋭さが増し威厳が出てきます。 右の龕(がん)には3mの高さの多聞天があり、武具を身につけ塔と宝棒を持った厳めしい姿で睨んでいます。 左の龕にはたかさ1m余りの磨崖仏が4体あり、左から阿弥陀如来、小矜羯羅童子、小不動明王、小制多迦童子と並んでいます。 合計8体の磨崖仏はいずれも同時期の作で、県指定文化財に指定されています。
※ 龕(がん)とは、断崖(だんがい)を掘って、仏像などを安置する場所

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