臼杵石仏の彫られた山肌の前には、臼杵石仏公園として整備された広場があります。 その石仏公園を挟んで向かいの山裾に、満月寺があります。
満月寺は、伝説によれば臼杵石仏の縁起に欠かせない真名長者の発願により 三重町内山蓮城寺を開いた蓮城法師によって創建されたとされています。
境内には「仁王像(木原石仏)」や「宝篋印塔」、「蓮城法師像」「真名長者夫妻像」など幾つかの見どころがあります。

満月寺の入口にはユニークな仁王像が立っています。 臼杵石仏と同じく凝灰岩製で、その膝から下は地面に埋もれています。 阿形の胸部と右手には穴があけられており、 阿形・吽形共に腰を外側に捻っています。 二基共に鼻が欠落しているのは、病気回復の信仰の為に削られたと云われていますが、 そのせいでユニークな表情を醸し出しています。
この仁王像は、鎌倉時代後期以降、室町時代前期までの作品と推定されています。

この石像はひとつの大きな岩の中に2つの穴が掘られ、 向かって左手に蓮城法師像、右手に真名長者夫婦像が安置されています。

蓮城法師像 ・・・ 真名長者のもとで石仏を彫ったといわれる人物の像です。

真名長者(まなのちょうじゃ)夫婦像 ・・・ 真名長者は臼杵石仏を造らせた人物と云われており、 この石像は室町時代の作品です。

宝篋印塔(日吉塔) ・・・ 鎌倉時代後期の作であり、特別史跡および重要文化財に指定されています。